文字サイズ
黒岩祇園祭(くろいわぎおんまつり)
【一宮市】
開催日 : 毎年8月第1土曜日
  • 黒岩祇園祭
【山車の提灯が夜空を照らす】
 黒岩祇園祭は、浅井町黒岩に鎮座する石刀神社の祭礼で、巻藁船のように提灯で飾った山車の出る祭礼です。石刀神社は、『寛文村々覚書』葉栗郡黒岩村の項に、「天王社 社内七畝歩 前々除 村中支配」とあり、寛文年間(1661~1672)には天王社と称していたことがわかり、同神社と津島社との関係性を見出すことができます。
 祭礼は、現在、8月の第1土曜日ですが、かつては、旧暦6月15日にとり行われていました。その祭礼の由来は、伝承によると宝暦治水の際の犠牲者の霊を慰めるために始まったともいいます。19世紀前半に高力猿猴庵種信が著した『懐中硯 葉栗一覧草』には「大川にて船祭り」という記述があり、川船で行われていた様子の一端を窺い知ることができます。
 木曽川流域の他村が船上で行う祭礼が、いわゆる「川祭り」であるのに対し、黒岩は川岸に船を繋留する土地を持たなかったため「オカマツリ」となったと思われます。かつて祭礼は堤防上の水神社で行われていました。堤防の高さが現在より低かった明治時代には、石刀神社前の堤防を東に宮田口へ、さらに水神社まで行き、神社前まで帰ってきたといいます。現在は、山車が囃子とともに黒岩公民館から石刀神社の間を曳き回されて往復し、最後に「オクリブネ」を木曽川と宮田用水の合流点に流して祭は終わります。山車は1輌で、構造は2層造り、屋根が唐破風の吹抜き、その上に提灯をつけるハチノスがあり、高さは15メートル、車輪は一木四輪の外輪で、舳先のように赤白の提灯をつけて船の形に見せています。木曽川流域に広がる天王信仰と水神の信仰を色濃く残すことからも、一宮市域の民俗を考える上で重要な祭礼です。

[黒岩祇園祭:一宮市無形民俗文化財 2016年3月22日指定]

フォトギャラリー

Photo

  • 黒岩祇園祭
  • 黒岩祇園祭
  • 黒岩祇園祭
  • 黒岩祇園祭
  • 黒岩祇園祭

おまつりの概要

Overview

開催日 毎年8月第1土曜日
開催時間 18:00~21:00
開催場所 黒岩石刀神社(一宮市浅井町黒岩字石刀塚271-1)
駐車場 50台
電話番号 0586-51-0622(黒岩祇園祭保存会代表 柘植豊明)
山車の数 1

アクセス・地図

Access / Map

電車でのアクセス JR尾張一宮駅・名鉄一宮駅から名鉄バス川島行き・宮田本郷行き「河田黒岩」下車
Google Mapで開く